SEにとってリーダーシップとマネジメント、どちらが大切なのか?
ピーター・ドラッカーの「マネジメント」が大流行し、マネジメントという言葉が以前と比べて社会に浸透しました。
リーダーシップとマネジメントとは何が違うのでしょうか? そもそも、何?
SEにとってマネジメントとリーダーシップどちらが大切なのでしょうか?
マネジメントとリーダーシップの違いとは
マネジメントとリーダーシップはどちらもチームメンバーを率いる管理職に必要な能力です。
あなたはこの違いがわかりますか?
わたしは、調査するまでは、言葉が違うだけで、中身はだいたい同じかと思っていました。
まず、マネジメントとは名前の通り、管理する人、計画通りにすすめることを目的としています。
リーダーシップとは目的を定め、それを達成するためにメンバーを率いていくことを目的としています。
例えとして多く使われれるのが、リーダーは設計する人、マネジメントは家を作っていく親方(棟梁)といわれます。
設計をする人が書いた図面に対し、納期通りに棟梁が必要な工事を進めて行く、というイメージになります。
リーダーが目標を決めて、その目標を達成するためにマネジメントが必要になります。
設計をする人も、大工の棟梁ともに家をたてるという目標を達成するには必要な存在です。
- マネジメント :管理する人、計画通りにすすめることを目的
- リーダーシップ:目的を定め、それを達成するためにメンバーを率いていくことを目的
マネジメントとリーダーシップでは、どちらが重要なのか?
それでは、SEとしては、マネジメントとリーダーシップ、どちらが重要、ということはあるのでしょうか?
答えはともに重要です。
よくIT業界ではプロジェクトマネージャー(プロマネ)と呼ばれたり、管理職と呼ばれています。
しかし、能力として、一つのプロジェクトではリーダーシップとマネジメントどちらも重要で、必要です。
会社やプロジェクトによっては、リーダーシップとマネジメントの役割を分けている場合もあると思います。
しかし、多くの会社は管理職に両方の役割を求めていることが大半だと思います。
では、あなたはSEとしてのリーダーシップと、マネジメントの能力は十分足りていますか?
あなた自身のことを振り返り、以下のチェックシートで思い当たることにチェックをいれてみましょう。
チェックした内容から下記のことが言えます。
当てはまった項目がAの方が多かった場合
⇒マネジメントの能力が足りていないようです。
当てはまった項目がBの方が多かった場合
⇒リーダーシップが足りていないようです。
リーダーシップ能力を磨くには
リーダーシップ能力を磨くにはどうしたらよいかを考えてみましょう。
端的に言えば、上記のチェックにあるようにリーダーは何をするかを考える人、メンバーの士気を高め、鼓舞していく人です。
マネージャーは目標達成のためにやり繰りを考える人、メンバーを管理調整していく人です。
後ろを振り返ると、リーダーには少なからずフォロワー(追従者)がいます。
フォロワーはリーダーの背中を見ていることになります。
背中の中身はリーダーのビジョンや人間性・人柄、これまでの実績などです。
共感できるビジョンや何かしてあげたいと思われる人間的魅力です。
以上を踏まえ、リーダーシップ能力醸成へのアクションプランを描くと、
1.ビジョンを明確化し、それをメンバーに伝え続けること
2.風通しの良いコミュニケーションを心掛け、組織を活性化させること
3.任せることや褒めることで信頼関係を確立し、メンバー1人ひとりのモチベーションを上げること
になります。
マネジメント能力を磨くには
次に、マネジメント能力を磨くにはどうしたらよいかを考えてみます。
マネージャーはリーダーが示した方向性・ビジョンを達成するためにどのようにやり繰りするかを考える人、メンバーを管理調整していく人です。
リーダーは巨視的な観点から未来志向のビジョンを描きます。
マネージャーは逆に現実志向で微視的な観点から物事を捉えます。
目標を達成するために必要なタスクを細分化し、時系列で、それぞれのタスクの役割・責任の所在を明確化し、計画通りに進捗していくよう、きめの細かい管理能力が求められるのです。
以上を踏まえ、マネジメント能力醸成へのアクションプランを描くと、
1.決められた目標に辿り着くためのプロセスを各タスクに落とし込み、期間および責任の所在を明確化することを習慣付けること。端的に言えば、プロジェクトマネジメント能力を醸成すること
2.やり遂げるための人やモノやカネを調達すること
3.環境整備、Capability(それを実現するための組織能力)を仕組化すること
になります。