「最強のシステムエンジニア」とは? | わかりやすくご説明します。その4
ここまで「最強のシステムエンジニア」の条件を、本質的価値、能力的価値、付加価値と分けてご説明しました。
実際のところここまでの説明で、システムエンジニア固有の能力や技術については何も説明していません。
システムエンジニアとえいども、どんな仕事でもできるつぶしのきく万能職人になってほしいとの思いがあります。
ビジネスマンとしての資質こそが必要となる
これからのシステムエンジニアは、技術が変化しても価値が変化しない、普遍的な存在でなければ通用しなくなります。
そして普遍的な存在であるということは、SEとして優れているのではなく、ビジネスマンとして、そして職人として優れていることをさしています。
だからこれまで述べたことは、必ずしもSEにだけ言えることではあります。
あらゆるビジネスマンに求められる資質です。
しかし実際は、多くのSEにいちばん欠けているのがこれらの資質です。
SEとしての教育はふんだんに受けていても、ビジネスマンとしての教育を受けていない者たちがほとんどいます。
だからこそ、あえて「最強のシステムエンジニア」に残るために必要な資質としてあげました。
言い換えると、優れたSEはビジネスマンとしても優秀であるということです。
逆に言うと、コンピューターのことをまるで知らないビジネスマンでも、ビジネスマンの資質を備えた優秀な人間ならば、短期間の学習でトップシステムエンジニアになることができると言ってもいいくらいです。
システムエンジニアしかできません、という人材では、もはや生き残るのはきびしい時代が到来しました。
いざとなったら、システムエンジニアを辞めて別の職業でも立派にやっていけるくらいの度量がないとだめなのです。
システムエンジニアの力は英語力と同じです

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SEの専門技術やスキルは、一昔前までは専門家だけが保有する特殊なものでした。
そもそもコンピュータという存在が、実際には重要な社会基盤や企業活動を支えてはいても、一般人とは縁の薄い存在だったからです。
しかし、いまではコンピュータは一般生活のなかにも浸透し、一世帯あたり一台のパソコンが当たり前になり、書店にはコンピュータ関連書籍や雑誌があふれています。
このような環境のなかで、SE固有の知識や技術は、しだいに希少性を失いつつあります。
近い将来、それらの技術は英語力と同じ位置づけになるのではないか、と考えられます。
英語力は、一昔前までは社会人・企業人の大きな武器でありました。
企業は英語力に長けた人材を高く評価し厚遇しました。
しかし今では、英語力はさはどのアピールポイントになりません。
SEの技術や知識も同じ道をたどりつつあります。
SEが持つ基本的な知識や能力は、いまや一般人が常識として身につけつつあるのです。
また、小学校でもコンピュータの授業が必須になるなどシステムエンジニア力は当たり前のものになってきます。
実際、SEでもなんでもない一般人が、インターネットでホームページを開設し、プログラムを開発し公開しているし、VBなどパソコンでも手軽に利用可能なプログラム言語を習得している者も多いです。
仕事ではなく、趣味の世界でプログラムを組んでしまう時代になっているのです。
コンピュータ知識や技術も英語力と同じように、ある程度のレベルまでなら誰でも備えている時代が必ずやってきます。
そのような時代では、もはやSEの技術や知識はたいしたスキルではなくなります。
持っていて当たり前の、普通自動車免許のようなものです。
だから英語力と同じように、身につけた技術を徹底的に高度化するか、まったく別の付加価値をセールスポイントにするしかありません。
SEが専門技術職である時代はもはや終わりつつあります。
個性の塊であることが最大の武器になる
なにごとでもそうだが、個性は最大の武器になる。
自分にしかできない仕事の領域や、自分にしか達成できない仕事のクオリティを持つことは、他者との最大の差別化となります。
発想や行動様式に独創性を持つべきです。
平均点しかとらず、個性のかけらもないSEはその他大勢というグループに埋没していき、場合によっては会社からも用無し扱いにされてしまいます。